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復興促進へ「コンストラクションマネジメント」  

復興促進へ「コンストラクションマネジメント」  

産経新聞 11月11日(日)7時55分配信

 ■ゼネコン一括発注 監視体制は整わず

 東日本大震災復興の遅延解消に向け、新たな公共事業の発注方式として国は、「コンストラクションマネジメント」(CM)方式の導入を始めた。CM方式は公共事業でのゼネコンの権限を拡大する試みで、国は復興促進の切り札の一つとして定着を図る。ただ、大きな権限が与えられるゼネコンの監視体制が整っておらず、「ゼネコンへの丸投げで被災地が食い物にされかねない」との懸念も出ている。 

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 ◆民間のノウハウ頼り

 従来の公共工事では、自治体が設計業務や工事施工などを分割して発注していたが、CM方式は「マネジャー」と呼ばれるゼネコンに一括発注。マネジャーは自治体に代わり事業のほぼ全てを企業に発注する。

 今回、初めてCM方式を採用したのは、宮城県東松島市と女川町での土地区画整理や集団移転促進事業。それぞれ約21億円と約70億円で在京の大手ゼネコンを中心とするJV(共同企業体)が10月、マネジャーとして契約した。

 女川町の須田善明町長は「復興はこれまで経験したことのない大事業。町にノウハウはなく、頼れるものは頼りたい」と期待する。

 国土交通省建設業課は「今後も見合う事業があれば、CM方式を各自治体に勧めたい」との構えだ。

 ◆丸投げ、負担消えず

 だが、懸念もある。CM方式の公共事業に対し、行政の監視がどこまで行き届くかが不明な点だ。もともとCM方式は国交省が平成12年に研究会を設置し導入を模索。しかし、大型公共事業が減少した背景もあり、そのときは導入には至らなかった。自治体とマネジャーの契約書のひな型となる約款作りは数年前に中断されたままだ。このため、「ゼネコンへの丸投げになりかねない。進捗(しんちょく)状況を絶えず監視しなければならない点で、自治体の負担は軽減されない」(被災地の市議会議員)との疑念が早くも出ている。

 ◆自治体に制度示して

 国交省もマネジャーや実施過程の監視体制について、「識者を入れた第三者委員会方式」を念頭にしているが、識者の選定方法や権限といった委員会の枠組みを示してはいない。

 東北大学経済学部の増田聡教授(地域計画)は「被災自治体で、復興事業をマネジメントできる職員はほとんどおらず、民間のノウハウを活用する手法は必要」としつつ、「ゼネコン業界の古い体質が残ったままでは、丸投げと批判されても仕方がない。国がきちんとした制度を自治体に示さなければ信用は得られない」と指摘している。

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【用語解説】コンストラクションマネジメント(CM)方式

 従来の公共工事では、事業ごとに調査や設計、施工を自治体自身が個別に発注するが、CM方式では、複数事業のこれらの過程をまとめて「マネジャー」に発注。マネジャーは各事業の発注計画策定や契約、品質管理などを行う。




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